そもそもサチュレーションとは?
サチュレーションとはアナログの特性を生かして歪みを加えるエフェクトとなります。デジタル環境では過大入力されてピークを越えた音というのはクリップ(音割れ)します。デジタルでのクリップは大変聞き苦しく使える音ではありません。
アナログ・テープやレコード、真空管機器などは、大きな音が入ってきてもすぐには歪まずに、ソフトクリップします。デジタルクリップのような極端な割れ方ではなく、音楽的な歪みとなります。
原理としてはエレキギターの音をギターアンプに入れて、ゲインを上げていって、音を歪ませるのと同じです。ピークに近づいていくほど、徐々に歪んでいって、倍音が付加されたサチュレーションが生まれます。
こういったアナログな歪みを加えるのがサチュレーションプラグインとなります。
サチュレーションを使う判断
音に華やかさが欲しい時、歪みを強調させた音作りにしたい時には使うようにします。プラグインでは思った音にならなかったらインサートを外せばよいだけなので、いくらでも試せます。
サチュレーションはどのパートにも使えますどのパートにも使えます。ボーカルに使ったり、アコースティックギター、ピアノ、ドラム、楽曲全体にかけたりなど。エレキギターは元々ギターアンプで音作りするのでわざわざプラグインで歪ませる必要はないのですが、別途でかけても問題ありません。ベースは低音楽器なのでかける機会は少ないかもしれませんが、ベースにかけても構いません。
素材の音がどこか物足りないと感じたらサチュレーションプラグインをインサートして歪みを加えるとよいです。
ちなみにですが、最近のマキシマイザーやリミッターにはソフトクリップ機能がついていることがあります。この機能をONにすると、マスタートラック(楽曲全体)にサチュレーションがかかるようになります。その場合、わざわざ個別でかける必要はないかもしれません(あえて二重でかけたい場合は別ですが)。
cubase付属のマキシマイザーにこの機能がついていますし、オゾン10にもついています。知らず知らずのうちにサチューレションがかかっていたということがあるのです。
サチュレーションのデメリット
サチュレーションをかけるとそのパートの帯域の頂点の部分が削れます。アナライザーで確認してもらうとわかるのですが、例えばギターやボーカルだったら中域(400Hz周辺)が削れるので薄い音になったり、ベースだったら低域が削れるので低音が弱くなったりします。
サチュレーションの使い方
使い方は0dBが音のピークになりますから、その付近まで音を上げていきます。ピーク付近になると音が歪んでいきます。0dBを超えるとクリップして、さらに強い歪みとなります。ナチュラルにかけるのか、ロックのように強くかけるのか突っ込む量(インプット量)で調節します。
最後にメイクアップゲインで上げた音量分を下げて調節して完了です。
サチュレーションプラグインはDAWに付属としてはじめから用意されています。Logicなら「Overdrive」、cubaseなら「Datube(真空管アンプ)」、protoolsなら「Lo-Fi」などです。